2021/9/20

EU情報

英がEU製品への完全税関検査を再延期、22年7月まで先送り

この記事の要約

英政府は14日、離脱したEUから輸入する物品に対する完全な税関検査の実施を2022年7月1日まで延期すると発表した。サプライチェーンの混乱などを受けたもので、7カ月の先送りとなる。英国は1月にEUから完全離脱したため、E […]

英政府は14日、離脱したEUから輸入する物品に対する完全な税関検査の実施を2022年7月1日まで延期すると発表した。サプライチェーンの混乱などを受けたもので、7カ月の先送りとなる。

英国は1月にEUから完全離脱したため、EUから輸入する物品の税関手続きが必要となる。ただ、税関検査実施は食品で4月1日、他の製品で7月1日まで延期することを離脱前から決めていた。しかし、事業者が対応できないと悲鳴を上げたことから、それぞれ6カ月の先送りを3月に決定し、完全検査を22年1月から開始することになっていた。

英国でEU離脱問題を担当するフロスト内閣府担当相が発表した新スケジュールによると、輸入申告は予定通り22年1月1日から必要となるが、「安全性・セキュリティ申告」は22年7月まで免除される。

農産・畜産品の事前通知は10月1日から義務付ける予定だったが、22年1月1日に先送りする。このほか、物品の現物検査、食品の衛生証明を開始する時期を10月1日から22年7月1日に延期することも決めた。

フロスト内閣府担当相は検査の延期について、新型コロナウイルス感染拡大の影響によるサプライチェーンの混乱や、コロナ禍で厳しい状況にある事業者が税関手続きで忙殺されず、業績回復に集中できるようにするためと説明。「現実的なタイムテーブルだ」と述べた。ただ、物流業界などからは、政府による税関検査に必要なシステムの整備が遅れていることや、業界の人手不足も影響しているとの見方が出ている。

EU側は英国の完全離脱と同時に、英国から輸入する物品への税関検査を実施している。このため、英国の輸出事業者はEUの事業者と比べて複雑な手続きが必要となり、不利な状況にある。