トルコ中銀が追加利下げ、政策金利15%に

トルコ中央銀行は18日の金融政策決定会合で、主要政策金利である7日物レポ金利を1ポイント引き下げ、15%に設定した。利下げは3会合連続。インフレが高進しているものの、高金利を目の敵にするエルドアン大統領の意をくむ形で追加利下げに踏み切った。

同国のインフレ率は10月に19.9%となり、上げ幅は前月から0.3ポイント拡大した。これは2019年1月(20.4%)以来の高い水準。昨年9月(11.8%)からはほぼ右肩上がりで、上げ幅の合計は8.1ポイントに達している。通貨リラ安を受けた輸入品価格の上昇や、エネルギーおよび食糧価格の高騰、サプライチェーンの混乱などが大きい。

中銀はこれらについて「供給側の要因による一時的な影響」だとする一方、緩和政策により企業融資に良い影響が出ていると指摘。需要に見合った供給量を増やすため追加利下げを決めたと説明した。今後については、インフレ率を5%程度とする中期目標の達成に向けて「利用可能なすべての措置をとる」とする従来の見解を繰り返した。

今回の利下げを受け、リラの為替相場は対米ドルで一時10.98まで下がり史上最安値を更新した。市場からは、通貨安と高インフレを考えると無謀な試みだとする声が出ている。独格付機関スコープ・レーティングのデニス・シェン氏は、「利下げはトルコの経済的混迷を深め、対外的な支払い困難を招く。リラ安がさらに進めば最終的には利上げが行われるが、それまでにリラがどれだけ下落するかが問題だ」と話した。

エルドアン大統領はかねてより「高金利がインフレを招く」を持論としており、中銀に対緩和政策を講じるよう公然と介入している。

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