スウェーデンの通信機器大手エリクソンは22日、クラウド通信サービスを手がける米ボネージを62億ドル(約7,100億円)で買収することで合意したと発表した。エリクソンは通信事業者向けのビジネスに集中投資する戦略を進めており、今回の買収もその一環。ボネージの取締役会はすでに買収計画を承認しており、エリクソンはボネージ株主と規制当局の承認を経て2022年上半期の手続き完了を見込む。
エリクソンはボネージ1株につき現金21ドルを支払う。これは前営業日(19日)の終値に28%上乗せした水準。取引が成立すると、エリクソンにとって過去最大規模の買収となる。
ボネージは01年設立。企業向けにクラウドベースの通信基盤(VCP)を提供する。同社のクラウドサービスは世界で12万以上の顧客と、100万以上の登録デベロッパーを擁する。21年9月期の売上高は約14億ドル。
エリクソンはスウェーデン政府が昨年10月に5Gオークションからファーウェイなどの中国企業を排除した影響で、中国事業が深刻な不振に陥っている。新型コロナウイルス感染拡大による世界的なサプライチェーンの混乱で部品不足も続いており、同社は業績改善に向けてクラウド分野の強化を目指している。