韓国のバッテリー正極材最大手エコプロBMが、初の欧州生産拠点をハンガリー東部のデブレツェンに開設する。投資額は2,640億フォリント(約7億2,000万ユーロ)。ハンガリーのシーヤールト外務貿易相によると、政府が助成金を供与するが、金額は明らかにしていない。
設置する工場の年間生産能力は、電気自動車(EV)用バッテリー換算で135万台分に相当する10万8,000トンとなる見通し。製品はブダペスト近郊にあるサムスンSDIのバッテリー工場に供給する。工場の完成は2024年後半の見込みで、新規雇用は631人。第2段階として翌年中に施設拡張を行う計画だ。
エコプロはリチウムイオン電池用正極材の国際大手で、ニッケル含有率が80%以上のハイニッケル正極材CSGの生産を世界に先駆けて開始した。年産能力を現在の6万トンから2025年までに29万トンに大幅拡大するという目標を掲げる。
ハンガリーには韓国のサムスンSDIやSKインターナショナル、日本のGSユアサなどバッテリー世界大手が進出し、欧州のEV電池産業ハブとして急成長している。SKインターナショナルが新たに23億ユーロを投じて工場拡張するなど、韓国メーカーが追加投資に動いている。