欧州委員会は15日、国外企業の株式を取得した企業に法人税を優遇するスペインの税制はEUの国家補助規定に違反しているとして、同国政府に対し補助相当額を回収するよう求めた。
スペインが2012年3月に導入した制度では、企業は親会社の株式取得を通じた国外企業株式の間接的な買収に関し、のれん(買収額と対象企業の時価純資産の差)を取得後20年にわたり償却することが認められている。欧州委はこの制度について、「EUの国家補助規定の下では正当化することのできない選択的な経済的利益を与えるものだ」と指摘。優遇措置を受けた企業は相当分を国家に支払うべきだとの判断を示した。
スペインの有力日刊紙『エル・パイス』が報じたところによると、優遇措置を受けた企業には大手銀行サンタンデール、電力大手イベルドローラ、通信大手テレフォニカなどが含まれる。これらの企業が支払うべき金額は不明だが、テレフォニカの場合は数千万から数十億ユーロにのぼる可能性があるという。