英イングランド銀行(中央銀行)は17日、政策金利を0.25ポイント引き上げて年0.75%とすると発表した。利上げは2021年12月から3会合連続。英国で新型コロナウイルス感染症が深刻化する直前の、20年3月の金利水準にもどした。
16日まで開いた金融政策委員会(MPC)で、委員9にのうち8人の賛成多数で利上げを決定した。MPCはロシアによるウクライナ侵攻の影響で「原油や天然ガス、食料品など幅広い商品の価格が大幅に上昇している」と指摘し、継続的な物価上昇や労働市場のひっ迫を考慮し、「追加の引き締めが必要と判断した」と説明。今後の利上げについては「今後数カ月のうちにさらに緩やかな引き締めが適切になる可能性がある」としたうえで、ウクライナ危機で景気の減速も懸念されることから、中期的な見通しによって「上下両方向のリスクがある」との認識を示した。2月時点では追加の引き締めが必要になる「可能性が高い」と説明していた。
新型コロナとの共生に舵を切った英国では経済活動の再開やエネルギー価格の高騰などで、1月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比5.5%上昇と、インフレ目標の2%を大きく上回り、約30年ぶりの高い伸びを記録した。中銀はCPIの伸び率が第2四半期に「8%前後」となり、年内にさらに上昇する可能性があるとみている。2月時点では4月に7.25%程度でピークアウトするとの見方を示していた。