欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2014/10/27

西欧

BASFが中期目標撤回、コスト削減強化へ

この記事の要約

化学大手の独BASFは24日、2011年に打ち出した中期業績目標を撤回すると発表した。世界経済の先行き不透明感が強まっていることを受けた措置で、15年に売上高で800億ユーロ、営業利益(EBITDAベース)で14億ユーロ […]

化学大手の独BASFは24日、2011年に打ち出した中期業績目標を撤回すると発表した。世界経済の先行き不透明感が強まっていることを受けた措置で、15年に売上高で800億ユーロ、営業利益(EBITDAベース)で14億ユーロを達成するという目標の達成を断念する。クルト・ボック社長は「新興諸国の経済が弱含み、欧州経済の回復も滞っている」と指摘。15年のEBITDAは10億~12億ユーロにとどまるとの予想を示した。

同社はこれを受けて、事業コストの圧縮目標を上方修正。これまでは15年末までに年10億ユーロを削減するとしていたが、同13億ユーロに引き上げした。

また、高性能製品部門で利益率が特に圧迫されているとして、同部門の再編方針を打ち出した。17年から利益を5億ユーロ以上、引き上げるとしている。

同日発表した14年7~9月期(第3四半期)の営業利益は前年同期比1.2%増の25億2,400万ユーロと小幅な伸びにとどまった。化学品部門は11.7%増の8億200万ユーロと好調だったものの、農業関連製品部門(55.7%減の9,300万ユーロ)と石油・天然ガス部門(13.8%減の6億2,600万ユーロ)が振るわず、足を大きく引っ張った格好だ。

売上高は183億1,200万ユーロで、3.3%増加した。天然ガスの取引量が大きく増えたことが最大の増収要因。最終利益は税負担が増えた影響で4.8%減の10億4,300万ユーロに落ち込んだ。