ロシア、欧米ガス関連会社31社を制裁対象に

ロシア政府は10日、ロシアと取引のある国際エネルギー企業31社に制裁を科すと発表した。国営天然ガス最大手ガスプロムの独子会社、ガスプロム・ゲルマニアやヤマル欧州パイプラインのポーランド区間を所有するユーロポルガス(EuRoPol GAZ PA)を始め、欧州のガス貯蔵施設運営会社や、米国とシンガポールのエネルギー企業が対象だ。具体的な制裁措置はまだ明らかにしていない。

欧米諸国はこれまでロシア政府と同国企業に対し、資産凍結、半導体など戦略的な製品のロシアへの輸出禁止、金融制裁など広範な制裁措置を科してきた。プーチン大統領は今月初め、ロシア企業が制裁対象となった外国企業および個人と製品・資源の輸出取引を行うことを禁止する政令を発しており、対象企業の発表により欧米への対抗措置に動き出した格好だ。

ドイツ連邦ネットワーク庁はガスプロム・ゲルマニアを信託管理下に置いているが、制裁の詳細が不明ながら「様々なシナリオに備える」とした。ガスプロムはドイツで卸売り、小売り、輸送パイプラインなど広範な事業を展開しており、市営ユーティリティ会社にガスを販売するヴィンガスや国内最大のガス貯蔵施設を運営するアストラなど傘下の企業も制裁の対象になっている。

ドイツのハーベック経済相によると、同国はロシアによるエネルギー分野の制裁に備えており、ガス輸入停止となっても市場で調達できると見ている。再生可能エネルギーの拡大が進めば将来のエネルギー問題は安全だという。

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