2022/5/23

EU情報

欧州委がエネルギー脱ロシア計画発表、再生エネ普及促進など

この記事の要約

欧州委員会は18日、エネルギー分野におけるロシア依存からの脱却と持続可能なエネルギーの安定供給に向けた計画案「リパワーEU (REPowerEU)」を発表した。2027年までに官民で2,100億ユーロ(約28兆5,000 […]

欧州委員会は18日、エネルギー分野におけるロシア依存からの脱却と持続可能なエネルギーの安定供給に向けた計画案「リパワーEU (REPowerEU)」を発表した。2027年までに官民で2,100億ユーロ(約28兆5,000億円)を投じ、再生可能エネルギーの普及やエネルギー供給の多様化などを進める。

ロシアによるウクライナ侵攻を受け、欧州委は3月、ロシア産化石燃料に依存する現状からの早期脱却に向けた政策文書を発表した。今回のリパワーEUは、気候変動対策を進めながら、脱ロシア依存を実現するための具体策をまとめたもの。省エネの推進、エネルギー調達先の多様化、再生可能エネルギーへの移行促進、クリーンエネルギー分野への投資拡大などを柱に据えて関連する法案や指針を打ち出した。

省エネに関しては、エネルギー効率化指令で掲げる2030年までの省エネ目標について、20年比で従来の9%から13%への引き上げを提案した。

エネルギー調達については、供給国との関係強化に向けた「EU対外エネルギー戦略」を策定。天然ガスの安定供給に向けてカタールや米国、エジプトなどから液化天然ガス(LNG)の輸入を増やすほか、アゼルバイジャン、アルジェリア、ノルウェーなどとも供給増に向けた協議を加速させる方針を示した。また、エネルギー輸入に際して加盟国間で調整を行うための「EUエネルギープラットフォーム」の構築や、欧州委が加盟国を代表して供給国との交渉や契約にあたる「共同購入メカニズム」の導入を提案した。

再生可能エネルギーに関しては、30年時点におけるエネルギー消費に占める再エネ比率の目標を従来の40%から45%に引き上げることを提案した。目標達成のため、新築の商用建築物は25年、住宅は29年までに太陽光パネルの設置を義務付けることや、25年までに現在の約2倍となる320ギガワット、30年までに600ギガワット分の太陽光発電施設を新設する方針を打ち出した。

また、水素エネルギーの普及促進にも力を入れる。30年までの域内での生産目標を従来の約2倍となる年間1,000万トンに引き上げるとともに、域外からも1,000万トン輸入する。

リパワーEUで掲げた目標を達成するため、欧州委は27年までに2,100億ユーロ、30年までに3,000億ユーロの追加投資が必要と試算する。財源に関しては、新型コロナウイルス禍からの経済再建に向けた復興基金の約9割を占める「復興レジリエンス・ファシリティ(RRF)」を活用するほか、二酸化炭素(CO2)排出量取引制度(EU-ETS)の排出枠発行で得られる200億ユーロを充てる方針を示している。