伊タイヤ大手ピレリは10日、欧州向け製品の生産をロシア国外に移管する計画を明らかにした。欧州連合(EU)が実施する対ロ経済制裁を踏まえたもので、生産移管と併せ同国への投資も縮小する。EUはロシア製最終製品の域内への輸入と、特定の素材の同国への輸出を禁止する措置を今年後半から実施することを予定している。
EU向け製品の生産をルーマニアとトルコに移管する。原料も現地調達に切り替える。同社はロシアに持つ工場への投資について安全性確保に関わるものを除き中断しており、今後徐々に事業を縮小していく方針だ。総売上高に占めるロシアの割合は3%で、自動車タイヤ部門では11%を占めている。
同社はまた、製品を国内市場に振り向けるとともに、物流や原料の発注先を多様化することで最終製品の供給と素材調達の安定を図っている。
ピレリはルーマニアに2004年に進出。05年には南部のスラティナに工場を建設し翌年から生産を開始した。現在4,000人を雇用している。トルコには1960年に進出し、南東部のイズミルに工場を持つ。