メルセデスベンツ、電池材料の米シラと提携

高級車大手の独メルセデスベンツは17日、次世代電池の分野で米スタートアップ企業シラ・テクノロジーズと提携すると発表した。シラが開発・生産するシリコン負極材を用いたリチウムイオン電池を実用化。車載電池のポートフォリオを拡充する。2020年代半ばに市場投入するオフロード車「Gクラス」の電気自動車(BEV)モデルに搭載する意向だ。

シラは2011年の設立で、カルフォルニア州アラメダに本社を置く。シリコンを主材料とする同社開発の負極材を用いると、黒鉛を使用する従来の負極材に比べ電池セルのエネルギー密度が高まる。体積エネルギー密度は800ワット時毎リットル(Wh/L)で、現在一般的なセルを20~40%上回る。高密度であることから航続距離を延ばすことができる。安全性など他の性能が損なわれることはない。

メルセデスは2019年、シラに資本参加した。今後はシラがワシントン州に建設する工場からシリコン負極材を調達する。同工場からシリコン負極材を調達する自動車メーカーはメルセデスが初めてという。

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