2010/3/3

コーヒーブレイク

ロシア、冬季五輪大不振で激論

この記事の要約

カナダのバンクーバーで開かれていた冬季五輪は2月28日、17日間の全日程を終了し閉幕した。次回2014年の開催地は、ロシアで初の冬季五輪となるソチ。ソチ五輪に向けて意気が上がるはずのロシアだが、バンクーバー大会の大不振を […]

カナダのバンクーバーで開かれていた冬季五輪は2月28日、17日間の全日程を終了し閉幕した。次回2014年の開催地は、ロシアで初の冬季五輪となるソチ。ソチ五輪に向けて意気が上がるはずのロシアだが、バンクーバー大会の大不振を受けて国内では激論が続いている。

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ロシアはウインター・スポーツの盛んなお国柄で、前回トリノ五輪では金16個を含むメダル計41個、2002年ソルトレーク五輪でも金6個を含むメダル計40個など、冬季五輪では毎回40個前後のメダルを獲得している。ところが、バンクーバーでは約50年ぶりにフィギュアスケートで金を逃すなど振るわず、金が3つ、メダルは計15個に終わった。このため議会からも、オリンピック委員会のチャガチョフ委員長、ムートコ・スポーツ青年相、ピセーエフ・スケート連盟会長らの辞任を求める声が噴出。メドベージェフ大統領も「責任があると思う人間は、辞表を提出する勇気を持つべきだ」と異例の辞任勧告を行った。

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それでも、人事異動が劇的な変化を起こすことにはならないと指摘する声も多い。アイスダンスで2度、五輪の金メダリストに輝いたロシア人スケート選手プラトフ氏は「米国やドイツ、日本など約700人のロシア人コーチが外国で働いている」と、ソ連崩壊後の混乱で優秀なコーチが外国に流出した影響が今になって出ていると指摘。さらにロシア国内の施設は老朽化しているうえ、強化費から遠征費まですべて国が面倒を見てくれたソ連時代とは異なり、選手の育成環境は厳しさを増しているという。

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ただ、同氏はここ数年で新たなスケートリンクが次々と建設され、外国に出ていた優秀なコーチが好条件を提示されてロシアに戻る例も出るなど改善の兆しも見られるとして、「8~10年後には元のレベルに戻るだろう」と期待する。ソチ五輪には、バンクーバーで銀メダルに終わった男子フィギュアのプルシェンコ選手が「4年後、自分は31歳になっているが、ソチ五輪出場を夢見ている」と早くも出場への意欲を話すなど、雪辱を期す選手も多そうだ。4年後の地元開催で、ロシア勢の巻き返しが見られるかどうか

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