ヤヌコビッチ大統領の就任以来、関係改善が続くウクライナとロシア。だが、ロシア軍によるウクライナ領の軍港セバストーポリの25年使用延長を認めた4月27日、ウクライナ議会は荒れに荒れた。
\与党はあらかじめ混乱を予想し、議長席につながる演壇を封鎖していたが、野党はこれもなんのその。使用延長に賛成が多数を占め、議長が「可決」を叫ぶや否や、野党議員は卵、続いて発煙弾を投げつけた。議会の護衛がとっさに2本の傘を開いてリトビン議長を守ったため議長は無事だったが、卵の1つが護衛の頭に命中、さらに野党議員は与党議員とそこかしこで乱闘を始めるなど、議場はさながら戦場と化したという。
\野党党首となったティモシェンコ前首相は、与党議員を「売国奴」と罵り、今回の可決を「ウクライナの歴史における暗黒の1ページ」だと非難。一方、ヤヌコビッチ首相は野党の批判などどこ吹く風で、グルジアから一方的に独立を宣言し、ロシアが後押しするアブハジア、南オセチア両地域の独立を承認する可能性にも示唆している。両者の対立はさらにヒートアップしそうだ。
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