2012/10/10

コーヒーブレイク

大統領の還暦~ロシア

この記事の要約

プーチン大統領が7日、還暦を迎えた。国民は様々な形でこの日を祝ったが、中にはシュールな催しもあったようだ。\ モスクワの元ガラス工場を改築した文化商業施設、フラコン・センターでは、ポップアートの画家アレクセイ・セルギエン […]

プーチン大統領が7日、還暦を迎えた。国民は様々な形でこの日を祝ったが、中にはシュールな催しもあったようだ。

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モスクワの元ガラス工場を改築した文化商業施設、フラコン・センターでは、ポップアートの画家アレクセイ・セルギエンコさんによる個展「大統領:心優しき人」がオープンした。大きなカンバスが色鮮やかに並ぶ。カモミールを背景に子犬を腕に抱きキスする大統領、両手の上にひな鳥を乗せて守る大統領、ヘラジカの子どもに哺乳瓶でミルクを与える大統領、小さなトラをなでる大統領、馬にまたがる上半身裸の大統領、サングラスでオートバイに乗る大統領、ベルルスコーニ元イタリア首相と並ぶ大統領、愛犬コニーと大統領、白いチューリップの草原に立つ大統領、新1年生を肩車にする大統領…。最新作は白鳥を誘導してグライダーに乗る大統領で、タイトルは「カール・グスタフ・ユング」。

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突拍子もないモチーフのようにも思えるが、ほとんどの絵はテレビで報道された事実を基にしている。プーチン大統領は厳しい自然を統治するヒーローというイメージをアピールしており、その登場の仕方も年を追うごとに突飛になりつつある。個展の絵はそれを反映しているのだ。

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12年前に初めて挑んだ大統領選では、選挙期間中に戦闘機でチェチェンへ飛び、兵士にメダルを授与した。最近では、白いスーツに身を包んで白鳥の母鳥に扮した大統領がグライダーで空を舞った。

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ソーシャルネットワークでは嘲笑の種になっているが、国民の大多数にとって最も重要なメディアである国営テレビは、引き続き大統領のイメージ作りに励む。誕生日当日にはゴールデンタイムに「素顔の大統領」を紹介するドキュメンタリー番組が放映された。

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一方で、反対派は60歳がロシアの定年退職年齢であることを受けて大統領の辞職をうながす「大統領、お疲れ様!」キャンペーンを企画。プレゼント用に年金生活者が必要とする「老眼鏡」や「内履き」などのグッズを募集した。ただし、参加者の大半は逮捕されたため、これらのプレゼントが大統領に届くことはなさそうだ。

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