チェコで毎年開催されるアプリ・コンテスト「アプ・パレード(AppParade)」で今年は無賃乗車アプリ「フェア・バンディット」が最優秀賞を受賞した。プラハなど国内7都市の公共交通機関向けで、ユーザー同士がどこで検札が行われているかを教えあうものだ。
\チェコの公共交通機関には改札がなく、乗客は自己責任で必要な切符を買うことになっている。その代わり、私服検札官がチェックに来たときに切符を持っていなければ1,000コルナ(40ユーロ)の罰金を払わなければならない。
\開発者のペトル・ペホウシェクさんは、開発のきっかけとして「電子定期の期限が切れたのを機に無賃乗車をするようになり、今どこに検札官がいるのか分かったら便利だなと思った」と話している。
\検札官を見かけたユーザーは、どこに何人いて、どのような服装をしているかを入力する。また、何回キセルをして、合計でいくら節約できたかも記録できる。もちろん、罰金を払った分は差し引く仕組みだ。
\法律家によると、このアプリは現在のところ合法。使っても罰せられる危険はない。
\一方、アプリの利用者が多いプラハの公共交通運営事業者は「このような試みはすでにネットでもあった。今回はモバイルに進化しただけで、格段新しいものでもない」と冷静だ。
\プラハでは毎日150人ほどの検札官が巡回しており、昨年は28万件の無賃乗車を摘発した。「フェア・バンディット」はユーザーの通報に基づくシステムだけに、検札を100%免れる保証はない。どれほどの効果があるかがわかるのは、今年の摘発件数が出てからとなりそうだ。
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