2010/6/16

コーヒーブレイク

ミュシャの大作はどこへ?

この記事の要約

アルフォンス・ミュシャといえば、女性を描いたポスターで有名な、アールヌーヴォーを代表するチェコ人画家。そのミュシャの大作をめぐり、子孫一族とプラハ市が裁判ざたを起こしている。\ 問題の作品は、スラブ民族の伝説や歴史を描い […]

アルフォンス・ミュシャといえば、女性を描いたポスターで有名な、アールヌーヴォーを代表するチェコ人画家。そのミュシャの大作をめぐり、子孫一族とプラハ市が裁判ざたを起こしている。

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問題の作品は、スラブ民族の伝説や歴史を描いた「スラブ叙事詩」。20点の絵画からなる連作で、完成まで20年を要したとされる大作。これまでミュシャの生誕地イヴァンチツェに近いモラフスキー・クルムロフ城で展示されていたが、このほど絵画の所有権を持つプラハ市が今夏に市内のVeletrzni宮殿に移設すると決定し、9月から同所で一般公開する予定を明らかにした。

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ところが、これに待ったをかけたのがミュシャの孫に当たるジョン・ミュシャ氏ら一族。同氏によると、ミュシャは「スラブ叙事詩」のプラハ市寄贈に同意したものの、この条件として市に、大作にふさわしい専用の展示館建設を要求していたという。一族は市とこの問題について協議してきたものの、市は結局要求を履行せず、「Veletrzniへの移設は祖父の願いと相容れないうえ、相談もなかった」とジョン氏は裁判に踏み切った理由を語った。

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一方、市は「所有権は市にある。裁判などばかげている」(プラハ市Pecha市議)と一歩も引かない構え。裁判所は今月中にも判断を下すという。

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