2011/8/24

コーヒーブレイク

独裁者が観光資源に~ルーマニア&ブルガリア

この記事の要約

体制崩壊から20年経ったルーマニアとブルガリアで、社会主義時代の最後の独裁者を「観光資源」に育てる動きが出ている。ルーマニア観光省は、チャウシェスク共産党書記長のゆかりの地を巡るルートを策定中。生誕地のスコルニチェスティ […]

体制崩壊から20年経ったルーマニアとブルガリアで、社会主義時代の最後の独裁者を「観光資源」に育てる動きが出ている。ルーマニア観光省は、チャウシェスク共産党書記長のゆかりの地を巡るルートを策定中。生誕地のスコルニチェスティ(南部)や、共産主義活動を理由として1930年代に投獄されたドフタナ刑務所跡、ブカレストの私邸、最後の演説が群衆の抗議の声にかきけされた共産党本部(現内務省)のバルコニー、1989年12月に妻エレナとともに銃殺刑に処されたトゥルノバの壁などが「見どころ」になるようだ。ドフタナ刑務所跡の見学時には、ブラム・ストーカーの『ドラキュラ』のモデルになったとされるヴラド・ツェベシュ(串刺し公)のブラン城にも足を延ばすことになるらしい。

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ウドリャ観光相は、現地メディアファクス通信の取材で、欧米からの観光客の関心を呼び起こすようなチャウシェスクの物語を「創作し」、旅行代理店を通じて「チャウシェスクの道」として宣伝・販売すると語り、「売り方を間違えなければ絶対に売れる」と自信を示している。

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一方のブルガリアは、35年にわたって君臨したジフコフ共産党書記長をネタにした観光振興計画がすでにスタートしている。今年5月には黒海沿岸のヴァルナの沖合にダイビングスポットとして書記長専用機「トボレフ154型機」が沈められた。サンゴの生育を見込んでエンジンなどの機材は取り外し、洗浄処理したという。

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モデルとなったのは、やはり黒海沿岸のリゾート地、ソゾポル沖合に沈むジフコフのヨット。2008年の「開業」以来、人気の観光名所となっている。

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チェコ・スロバキア
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