中・東欧、CIS諸国、ロシアに特化した情報誌

2010/3/31

コーヒーブレイク

モスクワ地下鉄2駅で爆発、38人以上が死亡

この記事の要約

モスクワの地下鉄駅2カ所で29日朝、爆発が発生し、大きな社会不安を呼んでいる。ロシア非常事態省が同日夕方に発表したところによると、合計で38人以上が死亡、63人が負傷したという。当局では北カフカース地域に拠点を置くイスラ […]

モスクワの地下鉄駅2カ所で29日朝、爆発が発生し、大きな社会不安を呼んでいる。ロシア非常事態省が同日夕方に発表したところによると、合計で38人以上が死亡、63人が負傷したという。当局では北カフカース地域に拠点を置くイスラム系過激派と関連のある人物による自爆テロとの見方を強めている。

\

爆発があったのは、サコーリニチェスカヤ線(通称レッドライン)のルビヤンカ駅とパルク・クリトゥールィ駅。実行犯とみられる女性が停車中の車両に乗り込み、またはドアが開いた瞬間を狙って自爆テロを仕掛けたもようだ。一部報道では、近くにいた自爆テロの協力者がリモコンを使って爆弾を作動させたとしている。爆発は午前8時~8時30分の間に相次いで起きており、朝のラッシュで車内が混雑していたため被害がさらに広がった様子だ。

\

とりわけ被害が大きかったのはルビヤンカのほうだが、同駅の正面にはプーチン首相が長年キャリアを築いた連邦保安庁(FSB、旧国家保安委員会=KGB)の本部庁舎が建つ。このため、今回の自爆テロは過激派による首相とFSBへの宣戦布告だと指摘する向きが多い。首相は「テロリストはせん滅する」と宣言したが、ロシアでは昨年11月にもモスクワとサンクトペテルブルクを結ぶ急行列車がテロ攻撃を受けたばかり。テロによる惨事は、残念ながらまだ続く可能性がある。

\
ロシア
COMPANY |
CATEGORY |
KEYWORDS |