世界経済が後退した昨年、中東欧でも多くの大手企業が業績に打撃を受けた。国際コンサルティング大手デロイトがまとめた2009年中東欧企業ランキング(CE Top 500)によると、上位500社の総売上高は前年を2割下回る5,254億1,000万ユーロに縮小した。増収を確保できたのは90社にとどまり、その増収率は平均8%だった。
\売上ランキングのトップは前年に続きポーランドの石油最大手PKNオルレン。157億ユーロで前年同期比30.7%減の大幅減収となったが、2位のハンガリー石油大手MOLの115億ユーロ(18.3%減)に大きく水をあけた。これにチェコの電力大手CEZが74億ユーロ(0.7%増)で続いた。エネルギー業種は上位500社のうち147社を占めて売上全体の38%に貢献し、中東欧の主力産業としての存在感を示している。
\調査対象となったのはEUに加盟済みの10カ国のほか、ウクライナ、マケドニア、クロアチア、セルビア、ボスニア・ヘルツェゴビナの全15カ国。企業の所在地を国別にみると、ポーランドが36%、チェコが15%、ハンガリーが13%で、3カ国で全体の3分の2近くを占めた。同地域以外の外国資本による企業は286社で前年より24社増えた。また、各国政府が民営化を加速させていることを反映して、国営企業は14社減り96社になった。
\デロイトによると、今年第1四半期には広範な業種で増収となっており、中東欧の景気が徐々に回復に向かっていることが窺える。中東欧財務顧問パートナーのSeres氏は、「大企業の経営陣は危機をきっかけに、持続的な成長には新しいアプローチが必要との認識を強めている」と話し、未来を見据えた新たな事業戦略作りが始まっていることを示唆している。(「目で見る東欧・CIS経済」を参照)
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