2010/1/13

ルーマニア・ブルガリア・その他南東欧・トルコ

ペトロム、石化部門を国営化学に売却

この記事の要約

オーストリア石油大手OMVの傘下にあるルーマニア石油大手ペトロムは昨年末、同社が保有するArpechim製油所の石油化学部門を国営の化学大手Oltchimに売却した。売却金額は1,300万ユーロで、化学プラントとその用地 […]

オーストリア石油大手OMVの傘下にあるルーマニア石油大手ペトロムは昨年末、同社が保有するArpechim製油所の石油化学部門を国営の化学大手Oltchimに売却した。売却金額は1,300万ユーロで、化学プラントとその用地150ヘクタールを含む。ペトロムは約2,500万ユーロの負債を抱える石化部門を切り離し、本業の石油事業に経営資源を集中させる狙いだ。

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独経済紙『NfA』が5日報じたところによると、今回の取引の資金としてルーマニア政府がOltchimに4,900万ユーロの信用保証を供与。ペトロムが売却する石化部門の従業員約560人の雇用は、少なくとも1年間保証されるという。一方、Oltchimも競合買収で事業を再編し経営の立て直しを図る。

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ペトロムは2008年11月から、「生産コストが販売価格を上回り、採算が取れない」という理由で、Oltchimにエチレンやプロピレンなど原料を供給することを停止している。Oltchimは減産を余儀なくされ、昨年1-9月期決算では前年同期の6倍に当たる4,100万ユーロの損失を計上した。政府内ではこれまでもOltchim救済案が検討され、昨年上半期から今回の取引について議論されていた。

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正式な取引成立には独禁当局の承認が必要となる。また欧州委員会も、政府によるOltchimへの信用保証に関し、審査を進めているという。

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