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2010/1/13

ロシア

ロシア石油大手ルスネフチ、再び創業者の手に

この記事の要約

アルミ大手ルサールのデリパスカ最高経営責任者(CEO)が、傘下に置くロシア石油7位ルスネフチを同社の創業者であるグツェリエフ氏に売却することで合意したもようだ。経済紙『ベドモスチ』がこのほど伝えた。グツェリエフ氏は6億米 […]

アルミ大手ルサールのデリパスカ最高経営責任者(CEO)が、傘下に置くロシア石油7位ルスネフチを同社の創業者であるグツェリエフ氏に売却することで合意したもようだ。経済紙『ベドモスチ』がこのほど伝えた。グツェリエフ氏は6億米ドルの現金をデリパスカ氏に支払うほか、ルスネフチの債務60億ドルを肩代わりし、約2年半ぶりに同社経営陣に復帰する。

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デリパスカ氏は自身が率いる投資会社バーザヴィ・エレメントを通じ、2007年夏にグツェリエフ氏からルスネフチを取得。取得額は28~30億ドルとされる。だが、同社の赤字体質改善が難しかったうえ、経済危機による原油価格急落で債務が膨張。原油生産量もデリパスカ氏が取得して以来これまでで11%減少し、日量25万2,000バレルに落ち込んでいた。同氏は中核事業であるルサールの債務問題にも追われており、ルスネフチを余剰資産と判断、売却を決断したとみられる。

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一方、グツェリエフ氏をめぐっては、ロシア国税庁が07年5月に脱税など8つの容疑で起訴。さらに検察も詐欺の疑いで捜査を進めていた。これを受け、同氏は「当局から強い圧力がかかっている」とプーチン政権を非難しつつ、ルスネフチを含むロシア国内のほとんどの資産を処分し、国外に脱出した。

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ただ、『ベドモスチ』紙によると、最近になってロシア当局はグツェリエフ氏に対する一連の容疑を取り下げ、捜査を終結させた。政府は同氏が青年期を過ごした北カフカース地域でいまだに強い影響力を維持していることを重視し、同地域の安定にグツェリエフ氏が貢献できるとみて同氏の国内復帰を容認する姿勢に転じたという。

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