ロシア政府が外国直接投資(FDI)の環境改善に本腰を入れる姿勢を見せている。イーゴリ・シュワロフ第一副首相は、投資銀行大手トロイカ・ディアローグが先ごろモスクワで開催した投資家会議で、外資による投資を国内企業と同様に扱う方針を表明した。国連貿易開発会議(UNCTAD)によると、09年のロシアのFDIは前年比44%減の414億米ドルに激減。同数値はロシア中銀のデータを参考にしているが、連邦統計局の数値はさらに低いといわれ、投資促進が急務の課題となっている。
\外国企業はこれまでも、ロシアの煩雑な関税手続きや差別待遇に不満を訴えてきた。メドベージェフ大統領は投資家会議の数日前、シュワロフ首相に投資環境を改善して外国企業の投資を促進する任務を委託。投資を阻害する国家機関の決定を破棄する権利も与えた。同大統領はすでに、資格を備えた外国人社員の従業員比率に関する制限撤廃や、建設プロジェクトと非資源輸出業者向けの付加価値税の還付期限を順守するといった改善策を発表している。
\ナビウリナ経済開発貿易相によると、昨年の設備投資は前年から17%減少した。国内の投資規模は現在、GDP(国内総生産)比で約20%となっているが、国内産業の近代化には30%が必要だとしている。
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