2010/3/31

チェコ・スロバキア

チェコ議会内最大政党、前首相を選挙責任者から更迭

この記事の要約

チェコ議会内最大政党の市民民主党(ODS)は25日、5月28日に予定される総選挙に向け、党の選挙責任者を党首のトポラーネク前首相からネチャス副党首に交代させると発表した。前首相はキリスト教会やユダヤ人、同性愛者に対して不 […]

チェコ議会内最大政党の市民民主党(ODS)は25日、5月28日に予定される総選挙に向け、党の選挙責任者を党首のトポラーネク前首相からネチャス副党首に交代させると発表した。前首相はキリスト教会やユダヤ人、同性愛者に対して不適切な発言をしたとして非難を浴びており、事実上の更迭。総選挙でもODSの苦戦は必至の情勢だ。

\

前首相は予定していた総選挙への出馬も取りやめる。党首としては当面とどまる意向だが、党内では党首も辞任すべきとの声が強く、政界引退に追い込まれる可能性もありそうだ。

\

前首相は雑誌「LUI」とのインタビューで、「教会は人々を洗脳している」「ユダヤ人のフィシェル首相、同性愛者のスラメツカ交通相は、状況が苦しくなればすぐ逃げ出す」などと発言。同誌がこの発言を22日インターネットで公開し、市民の大きな反発を呼んでいた。前首相は当初「発言は誤解」などと反論して役職からの辞任を否定したが、チェコ現地通信社CTKによると、ODSの最高意思決定機関である党総務会はメンバー45人中37人が解任に賛成。前首相はこの決定に抗しきれなかったとみられる。

\

ODSは議会内第2政党の社会民主党(CSSD)と第一党の座をかけ、総選挙に向けて激し争いを展開。ただ、世論調査機関CVVMが3月前半に実施した政党別支持率調査では、CSSDの32%に対しODSは25.5%にとどまるなど、水をあけられていた。前首相の発言をめぐる今回のドタバタで、ODSはさらに票を減らしたとの見方が多く、CTKが引用した専門家は「選挙直前の責任者交代は、どの政党にとっても悲劇」「ODSは固定票も集められないのでは」などと分析した。

\
ロシア
COMPANY |
CATEGORY |
KEYWORDS |