2010/3/31

ルーマニア・ブルガリア・その他南東欧・トルコ

欧州委、ルーマニア、ブルガリアに厳しい評価

この記事の要約

欧州委員会は23 日公表したルーマニア、ブルガリアによる汚職対策、司法改革の進展状況を検証する中間報告書で、両国ともなお改革は不十分との認識を示した。とくにブルガリアについては「依然として成果に乏しい」と酷評するなど、よ […]

欧州委員会は23 日公表したルーマニア、ブルガリアによる汚職対策、司法改革の進展状況を検証する中間報告書で、両国ともなお改革は不十分との認識を示した。とくにブルガリアについては「依然として成果に乏しい」と酷評するなど、より厳しい内容となっている。

\

ルーマニアとブルガリアは2007年1 月にEU 加盟を果たしたが、司法制度改革、汚職・組織犯罪対策などで加盟基準を満たしていなかった。このため、加盟後も3 年間はEUが関連分野における改革の進展状況を監視し、取り組みが不十分と判断した場合は補助金の支給停止を含む制裁措置を発動することになっている。これに基づきブルガリアは2008 年、汚職・組織犯罪対策が進んでいないとして、約5 億ユーロの補助金支給が凍結されたことがある。

\

今回の報告書は、昨年7 月に発表した年次報告書で指摘された問題点について、現時点でどこまで取り組みが進んでいるかを検証したもの。報告書はブルガリアについて、政府の高いレベルでの汚職を摘発しても有罪にまで持ち込むケースが少ないことなどに触れ、「高官の汚職、組織犯罪の捜査、訴追で、依然として成果が乏しい」と指摘。必要な改革に「国家の最優先事項」として取り組むよう促した。

\

一方、ルーマニアについては、ブルガリアよりも改革が進んでいることは認めながらも「改革進展のペースが維持されていない」と不満を表明。司法運営が人材不足で厳しい状況にあることや、地方自治体での汚職急増、高官が絡んだ汚職事件の裁判の進行が遅いことなどを問題点に挙げ、改革を強化するよう求めた。

\