2010/3/31

ルーマニア・ブルガリア・その他南東欧・トルコ

自動車業界、ブルガリア進出相次ぐ

この記事の要約

自動車関連企業のブルガリア進出が加速している。英投資会社Quorus Venturesは先ごろ、中部スタラ・ザゴラで電気自動車(EV)を生産すると発表した。昨年5月にブルガリア北部のロヴェチで新工場の建設を開始した中国の […]

自動車関連企業のブルガリア進出が加速している。英投資会社Quorus Venturesは先ごろ、中部スタラ・ザゴラで電気自動車(EV)を生産すると発表した。昨年5月にブルガリア北部のロヴェチで新工場の建設を開始した中国の自動車大手・長城汽車に続く外国企業の進出となる。ブルガリアの法人税が10%と低いうえ、人件費が安いことが背景にある。

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独経済紙『ハンデルスブラット』が24日付で報じたところによると、長城汽車は今年末までに地元企業Litex Motorsとの合弁工場を稼動させる。生産モデルは小型車「Florid」、SUV(スポーツ多目的車)「ホーバー(中国名:哈弗)」、小型ピックアップトラック「ウィングル(中国名:風駿)」で、年産5万台を予定している。まずは中国から部品を輸入してセミノックダウン方式で生産するが、将来は部品も全て現地で調達し、Litex Motorsのブランドで売り出す。ブルガリアにはこれまで自動車メーカーはなく、国産ブランドは初めてとなる。

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ブルガリアで最大の自動車サプライヤーはベルギーの電子部品大手EPIQ。同国内に複数の生産拠点を持ち、09年の現地売上高は2億6,500万レフに上った。このほか、EPIQのオランダ子会社Sensor-Nite(センサー)やベルギーのMelexis(電子デバイス、センサー、半導体)、ドイツのGrammer(シート)やKuhn(金属部品)も現地に進出。また、トルコのNursanとArkomat、住友電装と矢崎はワイヤーハーネスを生産している。ドイツのイグゼティック(Ixetic)は昨年3月から、南部プロヴディフでBMW、トヨタ、Navistar向けに油圧・真空ポンプの生産を開始した。

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昨年9月にブルガリアとの国境に近いルーマニア南部のクライオバで操業を開始したフォードは、ブルガリア北部のルセ県で新たなサプライヤーを探している。同県では仏Montupetが数カ月前からルーマニアのダチア工場向けにシリンダーヘッドの製造を開始した。独Witteは昨年、同県の工業団地に電子部品の研究開発センターを建設すると発表、将来的な部品生産も視野に入れているという。(1BGN=63.8JPY)

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