2010/4/14

チェコ・スロバキア

ソニー、スロバキア工場を鴻海精密に売却

この記事の要約

ソニーは3月31日、スロバキアのニトラにある液晶テレビ生産子会社の株式90%を台湾の電子機器受託製造(EMS)大手フォックスコン(鴻海精密)に売却することで合意したと発表した。ソニーは残り10%の株式を継続保有する。鴻海 […]

ソニーは3月31日、スロバキアのニトラにある液晶テレビ生産子会社の株式90%を台湾の電子機器受託製造(EMS)大手フォックスコン(鴻海精密)に売却することで合意したと発表した。ソニーは残り10%の株式を継続保有する。鴻海はソニーの液晶テレビの主力ブランド「ブラビア」の生産を続けるだけでなく、生産規模を今年の500万台から2年以内に750万台に引き上げるとしている。

\

スロバキア経済紙『Hospodarske Noviny』によると、鴻海は生産拡大に合わせ、従業員を現在の約2,500人から3,000人に増員する。ただ、増産分がソニー向けに充てられるかは不明で、他社のブランドを生産する可能性もあるもようだ。

\

ソニーは110億円を投じ、欧州の旗艦テレビ工場と位置づけるニトラ工場を建設。敷地面積は54ヘクタールに及び、2007年秋に稼動させたばかり。取引額は明らかにされていないが、英『フィナンシャル・タイムズ』紙オンライン版によると、3月末の簿価は232億円だった。ソニーはスロバキア政府や監督官庁の承認が得られれば今年9月末までに取引を完了させる予定。ニトラ工場の売却による業績への影響は限定的としている。

\

ソニーは昨年も、米国市場向けに液晶テレビを生産するメキシコ・ティファナ工場を鴻海に売却しており、鴻海へのアウトソーシングを強める形となる。一方、鴻海はチェコのパルドヴィツェでパソコン本体の組み立てや部品を生産するほか、クトナー・ホラで液晶ディスプレイを生産。さらに08年にはEMS大手のサンミナSCIからハンガリーのセーケシュフェヘールバール工場を、09年にはパソコン大手デルからポーランド・ウッジの工場を買収するなど、中東欧での事業を急速に拡大させている。

\
COMPANY |
CATEGORY |
KEYWORDS |