2010/5/5

ロシア

ヒューレットと鴻海、ロシアで試験生産開始

この記事の要約

米コンピューター大手ヒューレット・パッカード(HP)と台湾の電子機器受託製造大手フォックスコン(鴻海精密)は4月28日、サンクトペテルブルクのシュシャリ地区で試験生産施設を開所した。「HP」「HP Pro」「コンパック( […]

米コンピューター大手ヒューレット・パッカード(HP)と台湾の電子機器受託製造大手フォックスコン(鴻海精密)は4月28日、サンクトペテルブルクのシュシャリ地区で試験生産施設を開所した。「HP」「HP Pro」「コンパック(Compaq)」ブランドのパソコンを組み立て生産する。試験施設の生産能力はパソコン月4万台。

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両社は2008年5月、サンクトペテルブルク近郊のコルピノに共同でパソコン工場を建設すると発表した。この工場は09年春までに完成する計画だったが、金融危機などによる影響で計画は大幅に遅延。両社はまず、試験施設を立ち上げることで合意していた。

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試験施設はリースで借り受けた1万平方メートルの敷地に設置され、従業員は約100人。生産規模は需要次第としている。コルピノ工場が完成するまでのつなぎだが、鴻海のジム・チャン副社長はロシア英字紙『モスコウ・タイムス』に対し、「コルピノ工場の完成は来年以降にずれ込む」との見通しを示した。また5,000万米ドルと見積もっていた同工場の建設費用も「当初の見込みを上回る」規模に膨らんでいることを明らかにした。

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ロシアへのパソコン輸入では、完成品より部品に重い関税がかかる。両社は生産するパソコン部品のほとんどを輸入する予定のため、採算性が疑問視されている。チャン副社長は「少なくとも初期段階では、利益の出るプロジェクトではない」としながらも、長期的には利益が生まれるはずだとし、事業の将来性を強調した。

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