2010/5/26

総合・マクロ

中欧4カ国で洪水被害

この記事の要約

ポーランド、チェコ、スロバキア、ハンガリーの中欧4カ国で24日までに、洪水により大きな被害が出た。とりわけ豪雨が襲ったポーランド南部、チェコ東部で家屋浸水や停電が相次ぎ、これまでの死者は少なくともポーランドで12人、チェ […]

ポーランド、チェコ、スロバキア、ハンガリーの中欧4カ国で24日までに、洪水により大きな被害が出た。とりわけ豪雨が襲ったポーランド南部、チェコ東部で家屋浸水や停電が相次ぎ、これまでの死者は少なくともポーランドで12人、チェコで1人、ハンガリーで1人に上り、計1万人近くが避難したという。ポーランドでは伊自動車大手フィアットや日本板硝子傘下の英ピルキントンなど有力企業の工場も操業停止を余儀なくされた。

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ポーランド南部、チェコ東部、スロバキア北西部、ハンガリー北部などの地域では、豪雨により16日夜から河川の水位が危険水位を超えて上昇。160年ぶりの水準に達したというポーランドを南北に流れるヴィスワ川をはじめ、各地で河川がはんらんした。

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この洪水を受け、ヴィスワ川沿いのサンドミェシュにあるピルキントン工場は、周辺道路の閉鎖と停電により操業を停止。同工場が窓ガラスを供給するフィアットのティヒ工場も稼動停止に追い込まれ、これまでのところ復旧の見通しは立っていない。ポーランドのミレル内相は、洪水被害の出た南部地域は国内総生産(GDP)全体の3分の1、鉱工業生産の4割を担う工業地帯であることから「被害は深刻」だと表明。洪水が1週間続くと仮定して、今年で年10%の増加を予測していた鉱工業生産が、約1%低下する恐れがあると明らかにした。

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チェコでは東部を流れるモラバ川やオルシェ川があふれ出し、少なくとも3,500戸が停電した。『ラジオ・プラハ』などによると、20日から水が引き始めたようだが、土砂崩れなどが懸念されるため、引き続き2,000人以上が避難している様子。チェコ国内の被害額は数十億コルナに上るという。

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