ロシア自動車最大手アフトワズは24日、鉄鋼大手セベルスタリとの価格交渉が決裂したことを明らかにした。これを受け、セベルスタリは自動車用鋼板のアフトワズへの供給を停止したもよう。アフトワズは鋼板の在庫が数日分しないとされ、供給停止が長期化すれば、3月から実施された新車買い替え奨励策の恩恵で持ち直しつつあった同社の業績にも影響が出そうだ。
\アフトワズによると、セベルスタリとは当初、7月から鋼板価格を20%値上げすることで合意した。だが、セベルスタリは6月から25%値上げすると一方的に通告してきたという。アフトワズはセベルスタリ、マグニトゴルスク製鉄(MMK)の国内鉄鋼大手2社から鋼板需要の4割を調達している。
\セベルスタリはロイターに対し、「今回の値上げは長期契約の範囲内」と述べ、アフトワズの主張を否定した。だが、ロシアではアフトワズだけでなく、他の自動車メーカーや鉄道車両メーカーなどからも鉄鋼製品価格の急激な値上がりに不満が続出。5月中旬には、独禁当局が鉄鋼大手エブラズを「独占的な地位を利用し、不当に価格を吊り上げた疑いがある」として調査を開始した。違法行為が認定されれば、エブラズは年間売上高の最大15%を罰金として科される可能性がある。
\プーチン首相も24日、「最近、根拠もなく価格を引き上げている業界がある」と製鉄業界を間接的に非難した。ただ、世界的に鉄鋼価格が上昇しているのは事実で、ロシア国内の事態の成り行きが注目される。
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