2010/6/2

CIS諸国

韓国ポスコ、ウクライナ鉄鋼大手の買収断念

この記事の要約

韓国の鉄鋼大手ポスコは、ウクライナ同業ザポリジスタリの買収を断念したもようだ。ウクライナ経済紙『デロ』が5月28日報じたところによると、ポスコはザポリジスタリの買収を「非合理的」と判断。参加権を得ていた6月の最終入札から […]

韓国の鉄鋼大手ポスコは、ウクライナ同業ザポリジスタリの買収を断念したもようだ。ウクライナ経済紙『デロ』が5月28日報じたところによると、ポスコはザポリジスタリの買収を「非合理的」と判断。参加権を得ていた6月の最終入札からの撤退を決めたという。

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ザポリジスタリは鋼板350万トン、冷間鋼60万トンの年産能力を持つウクライナ4位の鉄鋼メーカー。このほか鉄鉱石や石炭の鉱山資産を保有する。同社の主要4株主は4月、合計で約90%におよぶ株式を放出する意向から予備入札を実施。これに参加したポスコなどが最終入札への参加権を得て、詳細な資産査定(デューデリジェンス)を開始していた。

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ポスコはこの過程で、ザポリジスタリの生産設備近代化には3~4年がかかり、コストも想定以上に膨らむとの結論に達したもよう。投資銀行大手トロイカ・ディアローグは「ザポリジスタリ近代化には30億ドル程度が必要。同社の売却額は数カ月前なら20~25億ドルだったが、現在は市場の先行き不透明感から25%は下がった」としており、経済情勢の変化もポスコの決定に影響した可能性がある。

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一方、鉄鋼世界最大手のアルセロール・ミタル、ロシアのセベルスタリ、ウクライナのメトインベストは引き続きザポリジスタリ買収に意欲を見せているという。6月の最終入札には、この3社が参加し、落札を争うとみられる。

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