2010/6/9

総合・マクロ

EU、ロシア近代化協力で合意

この記事の要約

欧州連合(EU)とロシアは5月31日から2日間にわたってロシア南部のロストフ・ナ・ダヌーで首脳会議を開き、「ロシアの近代化に向けたパートナーシップ」について、優先分野を決めて具体的な取り組みを開始することで合意した。\ […]

欧州連合(EU)とロシアは5月31日から2日間にわたってロシア南部のロストフ・ナ・ダヌーで首脳会議を開き、「ロシアの近代化に向けたパートナーシップ」について、優先分野を決めて具体的な取り組みを開始することで合意した。

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会議にはロシアのメドベージェフ大統領やラブロフ外相、EU 側からはファンロンパイEU 大統領や欧州委員会のバローゾ委員長、アシュトンEU 外相らが出席した。近代化に向けたパートナーシップではハイテクや技術革新、エネルギーの効率化、司法制度の効果的な機能、汚職対策の強化などの協力をうたっているが、詳細は今後詰めることになる。

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会議の後にファンロンパイ EU大統領は「ロシアの近代化を実現する必要がある」として、保護主義を回避することの必要性を指摘した。これはロシアが外国からの投資に対して保護的な姿勢をとっていることに対してEU 側に根強い不満があるためだ。一方でEU は、ロシアの世界貿易機関(WTO)への早期加盟を引き続き支持することを強調している。

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今回の会議では国際的な経済危機、気候変動交渉の進め方、温室効果ガス削減での協力、エネルギーの安定供給の問題なども話し合われたが、具体的な成果には乏しかった。特に懸案となっている入国ビザの相互廃止については、ロシア側は優先課題として積極姿勢を示したもののEU 側は消極的で、廃止に向けて準備に着手することで合意するにとどまった。メドベージェフ大統領は「ロシアは準備ができているのにEU 側の進展が遅いのはEU の内部的問題によるもの」と述べている。

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なお人権問題についてEU 側はロシアが欧州人権条約の第14 議定書を批准したことなどを評価しながらも、北コーカサスの状況や人権擁護者の保護、刑務所改革などに懸念を表明した。

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