2010/6/30

総合・マクロ

温室効果ガス削減、EUの数値目標に疑問の声

この記事の要約

欧州連合(EU)の成長戦略「欧州2020」に盛り込まれた温室効果ガス削減目標に関し、ポーランドから懐疑的な声が挙がっている。EUの情報サイトEurActivが24日報じた。\ EUは17日の首脳会議で、今後10年間の成長 […]

欧州連合(EU)の成長戦略「欧州2020」に盛り込まれた温室効果ガス削減目標に関し、ポーランドから懐疑的な声が挙がっている。EUの情報サイトEurActivが24日報じた。

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EUは17日の首脳会議で、今後10年間の成長戦略である「欧州2020」を策定。金融危機の影響を克服し持続的な経済成長の確保するため、就業可能人口の雇用率引き上げや貧困層の削減、温室効果ガスの抑制など5項目を主要目標として掲げた。

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各項目にはそれぞれ数値目標が設定され、温室効果ガスに関しては「20/20/20(温室効果ガス排出量を2020年までに20%削減し、再生可能エネルギーのシェアを20%に拡大し、エネルギー効率を20%向上させる)」とうたわれている。ポーランドの石油・ガス大手PKNオルレンのチーフエコノミスト、Czyzewski氏は、EUの数値目標は野心的過ぎ、誤った計算に基づいていると批判。利用可能な手段を最大限に利用した場合でも、「14/10/10(排出量を20年までに14%削減し、再生可能エネルギーのシェアを10%に拡大し、エネルギー効率を10%向上させる)」が妥当であり、より現実的な数値目標は「10/7/6」だと指摘する。

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一方、ポーランドのKraszewsk環境相は「数値目標の設定には基本的には賛成だ」と述べる一方で、エネルギー事情は加盟国ごとに異なっており、目標を画一的に設定すべきでないと主張。電力の94%を石炭火力発電で賄っているポーランドは、他の加盟国と比べ目標達成に時間を与えられるべきだとの認識を示した。

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