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2010/9/15

チェコ・スロバキア

テメリン原発の環境アセスに問題なし=環境省

この記事の要約

チェコが南ボヘミア州のテメリン原子力発電所で進めている原子炉の増設計画をめぐり、環境影響評価(EIA)の内容に不備があるとして周辺国や環境団体などから批判の声が挙がっている問題で、環境省は3日、EIAに問題はないとの見を […]

チェコが南ボヘミア州のテメリン原子力発電所で進めている原子炉の増設計画をめぐり、環境影響評価(EIA)の内容に不備があるとして周辺国や環境団体などから批判の声が挙がっている問題で、環境省は3日、EIAに問題はないとの見を示した。

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化石燃料依存からの脱却を目指すチェコは、原子力エネルギーを推進しており、テメリン原発で原子炉2基を増設するほか、南モラビアのドコバニ原発でも原子炉の増設を検討している。電力最大手CEZは、テメリン原発の増設工事に関するEIAを実施、6月に原子炉の増設による環境破壊や健康被害の可能性はないとする報告書を環境省に提出した。この報告書をめぐっては、国際環境団体のグリーンピースや地球の友(FoE)が、代替エネルギー活用の可能性が検討されていないうえ、計画されている原子炉の詳細に触れておらず、放射性廃棄物の問題も無視していると批判。また、チェコと国境を接するオーストリアの上オーストリア州のアンショーバー環境相は、EIAの手法自体が欧州連合(EU)のルールに違反していると指摘し、法的手段に訴える構えをみせている。

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これらの批判に対し環境省のクチェラ報道官は、「テメリン原発のEIAに問題はない」述べ、建設計画を推進する意向を示した。同報道官によると、EIAの内容については今月30日まで異議を申し立てることが可能だが、現在まで申し立ては一件もないという。環境省では、30日までに異議申し立てがなかった場合、11年に原子炉のコントラクターを決定し、13年にも建設を開始する考えだ。

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