チェコの国家安全保障理事会は15日、電力最大手CEZが計画しているテメリン原子力発電所の拡張工事の施工業者選定を当初計画の2012年から13年に先送りすることを決定した。ネチャス首相が同日の記者会見で明らかにした。
\CEZは将来の電力需要の増加に対応するため、テメリン原発で原子炉2基を増設するほか、南モラビアのドコバニ原発でも原子炉の増設を計画している。テメリン原発の拡張工事は総工費が最大で5,000億コルナに上ると見られる大規模プロジェクトで、原子炉建設工事の入札には仏アレバ、米ウェスティングハウス、ロシアのアトムストロイエクスポルトなど原発プラント大手が名乗りを挙げている。当初計画によると、今秋にサプライヤーから最終提示案を受け取り、来年末に落札企業を決定。20年に原子炉の稼動を開始することになっていた。
\ネチャス首相は、「テメリン原発の原子炉増設計画は、国家の基本戦略に係る問題であり、民間企業が解決できる問題ではない」と述べ、プロジェクトに関する最終決定権は政府にあるとの認識を強調。政府が11年までに入札の詳細を規定した文書をまとめたうえで、12年中に入札を希望する業者からの申請を受け付け、13年に施工業者を決定する意向を明らかにした。
\テメリンの拡張工事を巡っては、コツォウレク産業貿易相が先ごろ、電力需要の伸びが鈍化していることを理由に、工事の先送りを示唆していた。
\