2010/11/10

ハンガリー

製薬大手のリヒター7-9月期は利益倍増

この記事の要約

ハンガリーの製薬最大手、ゲデオン・リヒターが9日発表した2010年7-9月期の純益は194億フォリント(9,800万米ドル)に倍増した。ロシアにおける医薬品規制の変更を前に、同国に対する出荷が急増したためだ。\ 売上高は […]

ハンガリーの製薬最大手、ゲデオン・リヒターが9日発表した2010年7-9月期の純益は194億フォリント(9,800万米ドル)に倍増した。ロシアにおける医薬品規制の変更を前に、同国に対する出荷が急増したためだ。

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売上高は25.5%増の784億フォリントに伸張した。9月1日の医薬品規制改定を前にした駆け込み需要で、ロシアに向けて4,200万ユーロ相当の製品を出荷した。これは通常の月の2倍の水準に当たる。

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売上原価は2.3%減の514億フォリントに縮小した。一方で、販売費は6.4%増の152億フォリント、一般管理費は1.3倍の50億フォリントに膨らんだ。研究開発費は73.0%増の75億フォリント。営業利益は147.2%増の229億フォリントに急増した。

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金融収支は、前年同期の6億9,000万フォリントの黒字から31億フォリントの赤字に転落した。税引き前利益は95.8%増の198億フォリントだった。

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■1-9月期利益も1.5倍に

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1-9月期の純益は52.9%増の574億フォリント、包括利益(純利益に資産価値の増減を加えた総合的な利益指標)は67.6%増の597億フォリントだった。売上高は9.4%増の2,157億フォリント。国内では7.0%増の246億フォリントを売り上げ、市場シェア5.6%と、4位の座を確保した。処方薬市場のシェアは7.2%だった。

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欧州連合諸国への輸出は0.7%減の466億フォリント、米国売上高は12.8%減の211億フォリントにそれぞれ後退した。これに対し、独立国家共同体(CIS)での売上高は841億フォリントと35.8%の大きな伸びを示した。ロシア単独では36.3%増の611億フォリントだった。

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金融収益は前年同期の29億フォリントから68億フォリントに拡大。税引き前利益は46.0%増の584億フォリントに上った。

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リヒターは今秋、スイスの同業プレグレムを最高4億4,500万スイスフランで買収することで合意。うち、1億5,000万スイスフラン(307億フォリント)を現金で決済した。残りは業績に応じて支払うことになっている。3日に合意した独グリューネンタールの経口避妊薬事業の買収規模は2億3,650万ユーロ(651億6,000万フォリント)で、リヒターは先に、一定の現金・預金を手元に残すため、買収資金の一部を借り入れたと発表している。(1HUF=0.41JPY)

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