ポーランド中央銀行は11月23日に開いた定例金融政策理事会で、金利据え置きを決めた。10月のインフレ率は9月の2.5%から2.8%に上昇したが、依然として近年の最低水準にあり、インフレ加速への圧力は限定的なことが理由。中銀の1週間物レポ金利は2009年6月以来、1年半近く過去最低の3.5%となっている。
\ベルカ中銀総裁は、ユーロ圏の政策金利が1%、米国がほぼゼロ金利という金融環境の中での利上げが、ポーランドへの資金流入の加速につながることを懸念。同国の経済は昨年、欧州連合(EU)加盟国で唯一プラス成長を確保し、今年の見通しもプラス3.5%と堅調を維持しているが、「ズロチ高になれば、経済回復をけん引している輸出が脅かされる」と警戒している。
\金利据え置きはほぼ市場予測通りだったが、利上げ観測も浮上し始めている。10月のインフレ率が政策目標の2.5%を超えたことで、中銀が警戒態勢を強めていることは間違いない。ベルカ総裁はインフレ率が来年の早い時期に0.2~0.3%程度上昇する可能性があるとし、利上げのタイミングをほのめかした。
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