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2010/12/1

チェコ・スロバキア

政府、CSAとプラハ空港運営会社の合併を閣議決定

この記事の要約

チェコ政府は23日、国営航空会社CSAとプラハ・ルズイニエ国際空港の運営会社Letiste Prahaを合併する財務省案を閣議決定した。資本力を強化し、安定した企業を創出するのがねらい。計画の実行には競争当局(UOHS) […]

チェコ政府は23日、国営航空会社CSAとプラハ・ルズイニエ国際空港の運営会社Letiste Prahaを合併する財務省案を閣議決定した。資本力を強化し、安定した企業を創出するのがねらい。計画の実行には競争当局(UOHS)の承認が必要だ。

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合併後は、持ち株会社Cesky aeroholdingのもとに両社を統合する。財務省は、企業再編を通じて成長を促すことがグループとしての成功につながり、全体として企業価値が高まると見込んでいる。2012年までに統合作業が完了する見通し。

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プラハ経済大学のティル教員は今回の決定について、政府を両社のオーナーであると捉えれば理解できると語る。ただ、両社の将来について政府がどう考えているのかが問題としたうえで、CSAの空港使用料(発着料金)が他社よりも低く設定され、自由競争が妨げられないかとの懸念が浮上していると指摘した。

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チェコ政府は昨年1月にCSAの売却を試みたが失敗に終わった。CEAは現在進行中の再建3カ年計画の一環として、航空機保守事業やチャーター事業を子会社に分離。従業員と保有機の大幅カットも計画されている。

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CSAの株式資本は52億3,000万コルナで政府出資率は92%に上る。残りはプラハ市と保険会社のCeska pojistovnaが握る。昨年は38億コルナ弱の損失を計上した。今年は資産売却からの収入で黒字転換となるものの、営業損益では数億単位の赤字となる見込みだ。

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一方、Letiste Praha(旧Sprava Letiste Praha)は、今年の税引き前利益が前年並みの10億コルナ前後に達する見通しだ。株式資本は250億コルナで、全株式を政府が保有する。2014年には新滑走路の稼動が予定されている。

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昨年の利用旅客数はのべ1,164万人。航空会社50社が乗り入れ、プラハと世界105都市を結ぶ。昨年の定期便利用者数は470万人と前年実績を1.5%下回った。(1CZK=4.36JPY)

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