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2010/12/8

バルト三国

リトアニア原発建設入札が失敗

この記事の要約

リトアニアのエネルギー省は3日、新原子力発電所の建設プロジェクトに関し、韓国電力公社(KEPCO)が応札を取り下げた事実を明らかにした。応札した2社のうち、条件を満たしていたのはKEPCOだけであったため、入札は失敗に終 […]

リトアニアのエネルギー省は3日、新原子力発電所の建設プロジェクトに関し、韓国電力公社(KEPCO)が応札を取り下げた事実を明らかにした。応札した2社のうち、条件を満たしていたのはKEPCOだけであったため、入札は失敗に終わった。エネルギー省は、直接交渉を通じて投資家を獲得する方針を示している。

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計画によると、新原発はリトアニア東端のヴィサギナスに建設される。欧州連合(EU)加盟の条件として昨年末に操業を停止したイグナリナ原発に代わるもので、2020年までに操業を開始する。最大出力は3,400メガワットと、欧州でも最大級だ。推定30~50億ユーロに上る総工費のうち、入札で選ばれた戦略投資家が51%、リトアニア政府が34%を負担する。残る15%については、エストニア、ラトビア、ポーランドが支出する。

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今回のプロジェクトでリトアニアなどバルト海沿岸諸国は、エネルギー供給におけるロシアへの依存を弱めることを狙っている。KEPCOが交渉を打ち切った理由は明らかにされていないが、業界専門家は、ロシア・プーチン首相の韓国訪問との関連を示唆している。ロシアは飛び地領のカリーニングラードで、昨年2月に新原発建設に着手した。

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