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2011/1/19

総合・マクロ

12月失業率、ポーランドとチェコで上昇

この記事の要約

ポーランドとチェコの失業率が昨年末に上昇した。秋から冬にかけて農業・林業・建設業の季節労働需要が減少することから、例年この季節には失業率が増加する傾向がある。\ ポーランド労働省が7日発表した12月の失業率は前月を0.6 […]

ポーランドとチェコの失業率が昨年末に上昇した。秋から冬にかけて農業・林業・建設業の季節労働需要が減少することから、例年この季節には失業率が増加する傾向がある。

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ポーランド労働省が7日発表した12月の失業率は前月を0.6ポイント上回り、12.3%に悪化した。総人口3,800万人に対し2010年末時点の失業者数は195万人。11月末時点と比較すると約9万6,000人増加した。

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チェコ労働社会問題省が10日に発表した12月の失業率は、前月から1ポイント増の9.6%に悪化。失業者数は前月から約5万5,000人増え56万人となった。一方、求人数は4.7%減少しており、労働市場は依然として冷え込んでいる。

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ライフアイゼン銀行の首席エコノミストであるパヴェル・メルトリク氏は、チェコの失業率について、例年12月は失業率が上昇する傾向にあるが、今年は特に寒波の影響で建設業の季節労働需要が落ち込んだことが響いたと分析した。チェコ政府は、公務員給与の減額などを含む緊縮財政策を進めており、労働市場が好転するにはまだ時間がかかりそうだ。

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■ ルーマニアは6.87%に改善

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一方、ルーマニア国家雇用庁の13日の発表によると、同国の12月の失業率は6.87%となり9カ月連続で減少した。前月比では0.8ポイント改善し、失業者数は63万人となった。

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ただ、失業率には、最大1年間の失業手当の受給期間を過ぎても就職できなかった失業者は加算されていない。12月で受給期間が過ぎた約11万人の失業者を加えれば、失業率はさらに高くなる。

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人員整理による解雇が少なかったことも、12月の失業率減少に寄与した。だが、年明け以降の解雇予告はすでに1万~1万5,000人に上っており、失業率は今後、再び悪化する恐れがある。

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