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2011/1/19

バルト三国

仏アルストム、エストニアで発電所建設を受注

この記事の要約

仏重電大手アルストムは14日、エストニアの国営電力会社Eesti Energiaと発電所建設に関する大型契約を締結したと発表した。アルストムはロシア国境に近いエストニアのナルヴァに火力発電所を建設する。受注額は9億5,0 […]

仏重電大手アルストムは14日、エストニアの国営電力会社Eesti Energiaと発電所建設に関する大型契約を締結したと発表した。アルストムはロシア国境に近いエストニアのナルヴァに火力発電所を建設する。受注額は9億5,000万ユーロ。エストニアにとっては過去20年で最大の投資案件となる。

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発電所は出力300メガワットの発電ユニット2基で構成される。最初のユニット(5億4,000万ユーロ)は2015年までに完成する見通し。2基目(4億1,000万ユーロ)はオプション契約で、Eesti Energiaは18カ月以内に履行するかどうかを決定する。

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発電所の燃料はエストニアに豊富にあるオイルシェール(油頁岩)。二酸化炭素(CO2)など温暖化ガスの排出量が多いため、欧州連合(EU)はオイルシェールの使用に批判的だが、他のバルト諸国と同様、エネルギー供給におけるロシアへの依存を減らしたいエストニアは、埋蔵量が枯渇するといわれる約50年後までオイルシェールを使い続ける方針だ。また、アルストムは新発電所に燃焼効率が高い循環流動層ボイラ(CFB)を装備するため、環境負荷は従来のオイルシェール発電に比べ低くなる。

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エストニアはロシアへのエネルギー依存度を減らすため、ラトビア、リトアニア、ポーランドと協力し、リトアニア東端のヴィサギナスに原子力発電所を建設することも計画している。ただ、昨年末に韓国電力公社(KEPCO)が同原発の建設プロジェクトへの応札を取り下げたことから、計画は難航しており、エストニア政府は2025年までに独自の小型原発を建設することも検討している。

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