ハンガリー中央銀行(MNB)は24日、政策金利を0.25ポイント引き上げ、2週間物預金金利を6%に設定した。利上げは11月以来、3カ月連続。加速するインフレの抑制が目的で、金融緩和を求める政府が政策理事の入れ替えを行う4月を前に、利上げを急いでいるもようだ。
\シモル中銀総裁は再利上げの理由としてインフレ加速を挙げた。12月のインフレ率は4.7%と過去11カ月で最大の上げ幅を記録。中銀が目標としている3%を21カ月連続で上回った。2010年通期のインフレ率は、2009年7月の付加価値税率引き上げの影響を除いても3%を大きく超え、4年連続で目標が達成できなかった。
\金利据え置きの材料としては、◇11月の賃金低下による可処分所得の減少◇通貨フォリントの為替相場上昇◇政府の信用力を示す5年物クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)スプレッドが改善――があったが、12月のインフレ加速が利上げを後押ししたようだ。
\中道右派のオルバン政権は低金利政策を標ぼうし、今年5月の発足以来、中銀に利下げを迫ってきた。また、◇公務員給与削減の一環として総裁および政策理事の給与を大幅に減額◇政策理事4名の任期が3月に切れるのを前に、総裁の理事指名権をはく奪――など、圧力を高めている。
\ \■中東欧諸国、金融引き締めが課題に
\ \食品・エネルギー価格高騰による消費者物価の上昇で、中東欧諸国では金融引き締めが共通の課題となっている。ポーランドは先週、2008年6月以来初めて金利を引き上げた。チェコ中銀も今年下半期の利上げの可能性を示唆している。一方、欧州中央銀行(ECB)は、物価上昇が賃金の増加につながらない限り、状況を静観する立場だ。
\