独エネルギー大手のRWEは20日、ルーマニアのチェルナボダに原子力発電所を建設するプロジェクトから撤退すると発表した。金融危機の余波で事業の経済的な見通しが不透明になったため。仏GDFスエズと西イベルドローラも同様に手を引く。
\同3社と伊エネルおよび鉄鋼大手アルセロール・ミタル、チェコのCEZの計6社は2008年から、ルーマニアのルーマニア原子力公社(SNN)がチェルナボタ原発第3、4号機を建設するプロジェクトを支援してきた。両原子炉の出力は各720メガワット(MW)で、投資額は推定40億ユーロ。2011年に建設の是非を決定し、2017年をめどに商業運転を開始する計画となっていた。
\ところが、CEZは3社に先立つ昨年12月に同プロジェクトから撤退。ダウ・ジョーンズ紙によると、エネルとアルセロール・ミタルも撤退を検討しているもようだ。さらに、SNNも出資比率(CEZ撤退後は60.15%)を20%に引き下げたいとしており、計画実現が危ぶまれる。
\なお、RWEはブルガリアのベレネ原発建設プロジェクトからも、資金問題を理由に09年10月に撤退している。
\