中・東欧、CIS諸国、ロシアに特化した情報誌

2011/2/9

総合・マクロ

欧州の風力発電、ルーマニアやポーランドで大きな伸び

この記事の要約

欧州風力エネルギー協会(EWEA)の1日の発表によると、欧州連合(EU)27カ国の2010年の新規風力発電能力は9,300メガワット(MW)となり、前年の1万300MWから10%減少した。西欧の内陸風力発電が伸び悩んだこ […]

欧州風力エネルギー協会(EWEA)の1日の発表によると、欧州連合(EU)27カ国の2010年の新規風力発電能力は9,300メガワット(MW)となり、前年の1万300MWから10%減少した。西欧の内陸風力発電が伸び悩んだことが原因だ。ただ、洋上風力発電は前年比51%増の883MWに拡大。ルーマニアやポーランド、ブルガリアなど中東欧でも、西欧と比べ規模は小さいものの、大きな伸びを示した。

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ルーマニアでは10年の新規設置能力が448MWとなり、前年の3MWから大幅に増加した。ポーランドとブルガリアもそれぞれ382MW、198MWとなり、前年の伸び幅の180MW、57MWを大きく上回った。

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EUの10年末時点の風力発電の累積発電能力は8万4,000MWで、域内の発電能力の17%を占める。平均的風力の下での発電量は181テラワット時となり、域内総電力消費の5.3%をカバーすることができるという。

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中東欧のEU加盟10カ国の累積能力は合わせて2,791MWとEU全体のわずか3%強にすぎない。だが、地理的に風力発電に適した場所も多く、欧州電力大手は数年前から市場開拓を進めている。欧州復興開発銀行(EBRD)も昨年9月、中東欧における再生可能エネルギープロジェクトへの支援を拡大する方針を表明。特に重点を置く分野として風力発電を挙げた。

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■西イベルドローラ、ハンガリーで3つの風力発電所が完成

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スペイン電力最大手のイベルドローラは1日、ハンガリーで3つの風力発電所が完成したと発表した。これにより、ハンガリー風力発電市場における同社のシェアはほぼ50%に拡大した。

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今回完成した発電所の1つはハンガリー北西部Nagyigmánd村の郊外にあり、発電能力は36MW。西部Ikervár村に建設された他の2つはそれぞれ26MW、8MW。イベルドローラの同国における風力発電能力はこれにより158MWに上昇し、シェアは48%に拡大した。同社はさらに100MW規模のプロジェクトを計画しているという。

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