2010年のルーマニアの国内総生産(GDP、季節調整済み速報値)は前年比1.2%減となり、マイナス成長となったものの、下げ幅は前年の7.1%から大幅に縮小した。政府や市場は2%前後の後退を予想していた。第4四半期は前年同期比で0.5%減、前期比で0.1%増だった。
\ING銀行のキデシュチウツ主任エコノミストは、予測が外れた理由として2010年と2009年の発表済みデータが修正されたとしか考えられないとコメント。また、ルーマニア経済の後退幅が予想より小さかったことから、今年のGDP成長率が0.2%のプラスに転じる可能性が強いとみる。
\一方、政府は輸出の好調と内需の回復で今年は1.5%の成長を予測している。経済省の11日発表によると、2010年の輸出高は前年比28%増の372億ユーロに達し、金融危機前の2008年の337億2,000万ユーロを上回って過去最高を記録した。
\ルーマニアのGDPは2010年第2四半期に前期比で0.3%増加し、08年第1四半期以来、初めてのプラスに転じた。しかし、緊縮財政政策の一環として実施された付加価値税引き上げや、公的部門の賃金の25%削減が響き、第3四半期は前期比0.7%のマイナスとなった。前年同期比では第2四半期が0.5%減、第3四半期が2.5%減だった。
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