ドイツのフォルクスワーゲン(VW)がロシア商用車大手のGAZと合弁生産に乗り出す。同国の急速に拡大する自動車需要に対応して生産台数を引き上げ、市場での地位を固める狙い。
\GAZ親会社ロシアン・テクノロジーズのヴォルフ社長が英『フィナンシャル・タイムズ』紙に明らかにしたところによると、両社は今週にも契約を結ぶ見通し。ボルガ川流域にあるGAZのニジニ・ノヴゴロド工場で年間10万台以上を生産する方向だ。18日付ロイター電が複数の業界筋の情報として伝えたところによると、VW「ジェッタ」およびシュコダ「オクタビア」、「イエティ」などを生産する。
\フォード、VW、ゼネラルモーターズ(GM)、トヨタなど自動車大手はすでに現地生産事業を立ち上げた。ただ、部品に対する関税減額措置の適用に向けて各メーカーとも政府から年産30万台の達成を迫られ、現地企業との提携に向けた交渉が活発化している。同措置の申請期限が今月末に切れるのを前に、米フォードも18日にロシア2位のソレルスとの提携を決めた。
\GAZのニジニ・ノヴゴロド工場の年産能力は12万台。VWのカルーガ工場は15万台だが、18万台まで拡大可能だ。VWはすでに昨年10月にGAZとの提携交渉が進んでいる事実を明らかにしていた。
\米国の調査大手ボストンコンサルティング(BCG)によると、ロシアの自動車販売台数は2020年に400万台に達し、台数ベースで現在の世界10位から6位に浮上する見通しだ。生産台数では2018年にドイツを抜いて首位に立つとみられている。(東欧経済ニュース2010年9月8日号「フォルクスワーゲン、ロシア現地生産強化へ」を参照)
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