2011/5/4

総合・マクロ

バルト海パイプライン、EUへの輸送を10月に開始

この記事の要約

ロシアのプーチン首相は4月26日、訪問先のデンマークで、バルト海パイプライン「ノルド・ストリーム」が10月から欧州連合(EU)向けの天然ガス輸送を開始できるとの見通しを明らかにした。ロシアとドイツを結ぶ全長1,220キロ […]

ロシアのプーチン首相は4月26日、訪問先のデンマークで、バルト海パイプライン「ノルド・ストリーム」が10月から欧州連合(EU)向けの天然ガス輸送を開始できるとの見通しを明らかにした。ロシアとドイツを結ぶ全長1,220キロメートルの同パイプラインは現在、2本のうち最初の1本が建設中で、海底部分の敷設工事は5月15日に完了する予定だ。

\

海底への敷設に関しては、第2次大戦中の兵器の残骸が障害になることが懸念されていたが、プーチン首相よると、これまでに問題は生じていない。総工費は74億ユーロに上るが、資金面での問題もないという。ノルド・ストリームにはロシアの国営ガス会社ガスプロムのほか、独化学大手BASF傘下のヴィンタースハルと、独ガス最大手エーオン・ルールガス、オランダのNederlandse Gasunie、フランスのGDFスエズが参加している。

\

EUの天然ガス輸入量は2030年に5,000億立方メートルに拡大する見通し。ノルド・ストリームの第2パイプラインが2012年末に稼動すると、第1、2パイプラインの送ガス能力は550億立方メートルとなり、EUの年間輸入量の11%を占めることになる。

\