2011/5/4

チェコ・スロバキア

チェコ電力最大手CEZ、ギリシャ市場参入狙う

この記事の要約

チェコ電力最大手CEZがギリシャ電力市場への参入を検討している。巨額の財政赤字を抱えるギリシャに対し、欧州連合(EU)や国際通貨基金(IMF)は財政再建策の一環として電力市場の再編と自由化を要求しており、同国政府は4月半 […]

チェコ電力最大手CEZがギリシャ電力市場への参入を検討している。巨額の財政赤字を抱えるギリシャに対し、欧州連合(EU)や国際通貨基金(IMF)は財政再建策の一環として電力市場の再編と自由化を要求しており、同国政府は4月半ばに、2012年までに国営ギリシャ電力会社(PPC)に対する政府の持ち株比率を51%から34%に減らすと発表したためだ。CEZはギリシャの電力市場の再編、民営化の動きを見極め、参入方法を検討していく。同社のSvoboda販売取締役が4月19日に明らかにした。

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CEZは国内のほか、北はポーランド、南はトルコまで中東欧、バルカン地域で事業を展開している。今年2月には国外事業について、投資基準を厳格化して業績が基準を満たさなければ撤退する方針を発表。この方針に従い、トルコ同業のAkenerjiとの合弁事業を手放す可能性を明らかにした。一方で、南欧・南東欧地域では事業強化を計画しており、市場アナリストはトルコ事業の売却益を同地域での買収に充てるもようだと予想している。

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国営PPCはギリシャ電力市場でシェア9割を握っている。政府の民営化計画に対し、労組は強く反対しており、今後の展開は不透明だ。Svoboda販売取締役は「PPCのどの部門が売りに出されるのか、同国市場に魅力があるのか、まだ不明」と慎重な立場を示す一方、市場自由化後の参入方法として、ギリシャの需要家と長期の電力供給契約を結ぶという選択肢もあると指摘した。

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