2011/5/4

ルーマニア・ブルガリア・その他南東欧・トルコ

ルーマニア、ユーロの2015年導入目標を堅持

この記事の要約

ルーマニア政府は4月29日、欧州統一通貨ユーロの導入を目指す最新の「収れん計画」で、2015年採用を目指す従来方針の維持を明確にした。時期を遅らせることを検討していたが、バセスク大統領の意向を受けて、目標堅持を決めたもよ […]

ルーマニア政府は4月29日、欧州統一通貨ユーロの導入を目指す最新の「収れん計画」で、2015年採用を目指す従来方針の維持を明確にした。時期を遅らせることを検討していたが、バセスク大統領の意向を受けて、目標堅持を決めたもようだ。

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ボック首相は、バセスク大統領およびイサレスク中銀総裁との協議を受けて決定したと説明。2015年中の導入を目指すとして、年初の導入にこだわらない姿勢を示した。詳細は欧州連合と詰める。目標の達成に向けて準備を監督する委員会を設置し、首相自らが陣頭指揮を執る。

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専門家はルーマニアの2015年ユーロ導入に懐疑的だ。マーストリヒト条約で定められた「収れん基準」を満たすのが難しいためだ。基準では(1)欧州為替相場メカニズム(ERM2)に2年以上参加し、対ユーロの為替相場変動を標準値から15%の範囲に収める(2)インフレ率はEU加盟国で最も低い3カ国の平均に1.5ポイントを加えた水準までに抑える(3)財政赤字を国内総生産(GDP)の3%以下に抑制(4)国家債務総額はGDPの60%以下――などの遵守が求められる。(2)は3月時点で8%とEU加盟国中でルーマニアが最も高い。(3)も6.5%の高率となっている。唯一、(4)については32%と基準を下回る。

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ただし、ユーロ採用国でも収れん基準を満たしていないところが多数に上っているのが現状だ。

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