2011/5/11

バルト三国

エストニアの貿易拡大、ユーロ導入が弾みに

この記事の要約

エストニアの対外取引が急速に拡大している。金融危機後の不況から経済が回復していることに加え、今年初めの欧州統一通貨ユーロ導入が追い風となっているもようだ。今年の貿易額が過去最高を記録した2007年の水準に達するとの観測も […]

エストニアの対外取引が急速に拡大している。金融危機後の不況から経済が回復していることに加え、今年初めの欧州統一通貨ユーロ導入が追い風となっているもようだ。今年の貿易額が過去最高を記録した2007年の水準に達するとの観測も浮上している。

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2010年の輸入額は前年比で27.4%、輸出額は35%、それぞれ増加した。貿易収支は赤字が続いているものの、その赤字額は2008年の24億ユーロから09年には7億8,300万ユーロ、10年には4億8,800万ユーロに縮小した。

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ユーロ導入が弾みとなり、今年に入って貿易額の伸びは勢いを増している。1-2月期の輸入額は前年同期比44.9%、輸入額は55.1%の増加を示した。

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受注残高が高水準にあることから、輸出の好調は今後も続きそうだ。2月の新規受注高は2005年平均の2.2倍に上り、2008年の経済危機前を上回った。特に資本財は3.4倍と大幅に増加している。スウェーデンの大手銀行スウェドバンクは先月、通年の輸出が前年実績を16.2%、輸入は16.8%上回るとの予測を明らかにしている。

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2010年の輸出額に占める品目別比率では、燃料および加工品が15.5%で最も高かった。ロシアから西欧に向けた輸出の経由地となっているためだ。国産品では金属や、情報技術などの先端技術の割合が大きい。コンピューター、民政家電、通信機器は約8%、自動車・部品は7.4%、電気製品は6.9%、その他の機械が6.8%を占めた。

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エストニアはまた、付加価値が比較的小さい製品も輸出している。家具、木材加工品、紙・パルプ製品の比率は14.6%、食品・飲料、その他の農産物は10.3%だった。繊維、衣料品、皮革は4%まで縮小している。

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貿易相手国ではバルト海沿岸諸国の比重が圧倒的だ。ロシアとバルト海沿岸の欧州連合(EU)加盟国が輸出の65.5%、輸入の72.1%を占めた。国別ではフィンランドが最も多かった。

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