中・東欧、CIS諸国、ロシアに特化した情報誌

2011/5/18

総合・マクロ

中東欧諸国、1-3月期GDPは好調な伸び

この記事の要約

欧州連合(EU)統計局ユーロスタットが13日発表した今年1-3月期の国内総生産(GDP、季節・労働日数調整後)統計によると、中東欧諸国のGDPは独仏など西欧の景気拡大が追い風となり順調な伸びを示した。ハンガリーやスロバキ […]

欧州連合(EU)統計局ユーロスタットが13日発表した今年1-3月期の国内総生産(GDP、季節・労働日数調整後)統計によると、中東欧諸国のGDPは独仏など西欧の景気拡大が追い風となり順調な伸びを示した。ハンガリーやスロバキアでは伸び幅が予想を上回ったほか、経済危機でマイナス成長が続いていたルーマニアは2年ぶりにプラス成長に転じた。ただ、不良債権や高失業率、緊縮財政などが足かせとなり、国内消費に大きな回復は見られず、ドイツなど西欧への輸出に依存する構図は変わっていない。

\

ハンガリーの1-3月期GDPは前年同期比2.2%増。前期比では0.7%増で、前の期の0.5%増から加速した。スロバキアも前年同期比3.6%増、前期比1.0%増と好調だった。

\

チェコのGDPは前年同期比2.5%増となり、当初予想の2.3%を上回った。ただ、前期比では0.6%増と、ドイツ(1.5%増)やフランス、スロバキア(ともに1.0%増)、ハンガリー(0.7%増)の伸び率を下回った。分野別では製造業が前年同期から10%以上増加する一方、建設業や農業は不振だった。

\

\

■ルーマニアは景気後退から脱出

\

\

ルーマニアの1-3月期GDPは前年同期から0.3%増加し、2年ぶりに景気後退から抜け出した。前期比では0.6%増で2期連続のプラス成長。内需の弱さを好調な輸出と鉱工業生産でカバーした。

\

金融危機で大きな打撃を受けたルーマニアは2009年、国際通貨基金(IMF)とEUから計200億ユーロの緊急融資を取り付けた。昨年は融資条件を満たすため、付加価値税の5%引き上げと公務員給与の25%削減を実施したことから、内需が後退。EUに加盟する中東諸国の中ではラトビアとともに2年連続でマイナス成長となった。

\

IMFは12日に欧州のGDPに関する最新予想を発表。ルーマニアについては今年1.5%、12年に4.4%の成長を見込んでいる。

\